イイ匂いとイヤな臭いの違いはどこに?|加齢臭の予防と対策

イイ匂いとイヤな臭いの違いはどこに?

 

香水

人はそれぞれにおいに対するイメージを持っています。

 

良いにおい(漢字では「匂い」と書きます)とはどんなにおいかと聞かれれば、「甘い匂い」「香ばしい匂い」「さわやかな匂い」などが挙げられます。

 

逆に、イヤなにおい(漢字では「臭い」と書きます)は、「酸っぱい臭い」「もわっとする臭い」「じめっとする臭い」などと表現されます。

 

どんなにおいかを聞かれると、
食べたかのようなそのままの味覚や触覚までをも表現できてしまうことがあります。

 

これは、においが過去の記憶と結びついており
そのにおいを嗅ぐことで過去の記憶を引っ張り出してくるため、
食べていなくても触っていなくても味覚や触覚をあらわす形容詞などを用いてにおいを表現することができるのです。

 

においを感じる仕組み

 

においは、鼻の臭覚を通して脳に伝えられます。
においは他の感覚とは異なり、大脳辺縁系に直接届いています

 

大脳辺縁系は「情動系」との呼ばれており、
においは人間の本能や、特に感情と結びついた記憶と密接な関係があると指摘されています。

 

においは、最も感情を刺激する感覚なのだとされているのです。

 

鼻の奥には嗅神経があり、
そこに鼻腔を通って入ってきた香分子がくっつくと、電気信号が大脳辺縁系まで発信されます。

 

大脳辺縁系のそばには記憶を司る部位があります。

 

この部位を送られてきた電気信号が刺激すると、昔の記憶を引っ張り出してきて、
その時の情景や人間、行動などを思い出すのです。

 

良い記憶を持つ匂いであれば、脳内ホルモンは反応します。
しかし、イヤな記憶であれば、脳に伝えられた香分子は脳が受け付けず、
脳内ホルモンの反応もよくありません。

 

アロマテラピーなどは、
匂いを使ってストレスや疲れを軽減させ、リラックスさせようとするものです。

 

ラベンダーなどがよく使われますが、
ラベンダーを使えば誰でも良い匂いを嗅いでリラックスできるというわけではありません。

 

たしかにラベンダーの匂いを嗅ぐとほとんどの人に
α波(リラックスしている時の脳波)の増加が認められますが、
ラベンダーが嫌いなひとにはα波はあまり見られなかったという実験結果もあるそうです。

 

つまり、良い匂いとイヤな臭いは、人によって過去の記憶が異なるため、
感じ方、受け止め方が異なってしまう場合もあるのです。

 

大部分の人が感じる良い匂いとイヤな臭い

 

とは言っても、大部分の人が「良い匂い」「イヤな臭い」と感じるにおいはもちろんあります。

 

「良い匂い」の種類としては、草花や木から出る新鮮な香りや食品の香りなどとして、
フレグランスやフレーバー、アロマなどに使われている匂いが挙げられます。

 

逆に「イヤな臭い」の代表的なものとして、
硫黄化合物や窒素化合物、アルデヒドなどが挙げられ、
昭和46年に制定された悪臭防止法に特定悪臭物質として指定されています。

 

特定悪臭物質として指定されているのは22種類の物質です。
生活にかかわりの深いものを挙げてみます。

 

 

 

硫化水素、メチルメルカプタンなどの硫黄化合物は、
ごみ処理場やし尿処理工場に多く存在します。

 

窒素化合物であるアンモニアはトイレに多く、
トリメチルアミンは冷蔵庫や魚の工場に多いです。

 

脂肪酸のイソ吉草酸は汗や身体から発生し、
酢酸は食酢の主成分です。アルデヒドの属するアセトアルデヒドはタバコに多く、
イソブタノールは何かを焦がしたときに発生するものです。

 

ガソリンから発生するキシレン、都市ガスから発生するスチレンなどが
特定悪臭物質に指定されています。

 

 

 

こうしてみると、
普段から「イヤな臭いだな」と感じている臭いが列挙されているなと感じます。