加齢臭にエーザイのサクロフィールは効果があるのか
サクロフィールとは、製薬会社のエーザイが販売している第3類医薬品の商品名です。第3類医薬品ですから、近所の薬局で購入でき、ネットの通信販売でも取り扱っているところがあるようです。
このサクロフィール、もともとの効能・効果は口臭の除去や二日酔いですが、調べてみると、加齢臭対策にも使っている方がいるようです。
はたして本当に効果があるのかどうか、考えてみました。
サクロフィールの主成分は、銅クロロフィリンナトリウムという物質です。クロロフィリンとは、植物の緑色の色素成分であるクロロフィルを加水分解したものです。
クロロフィルは水に溶けにくい性質をもつため、体内で吸収し、効果を発揮させるには都合が悪いため、加水分解することで、吸収しやすい形にしているのです。
銅クロロフィリンはきれいな緑色をしており、さらに消臭作用もあることから、以前からガムなどの着色料を兼ねた消臭成分として使われてきました。食べ物に使われている物質なので、安全性という面ではお墨付きの物質です。
しかし、肝心の消臭作用となると、少し話は変わってきます。
科学的な検証においては、クロロフィリンのもう一つの安定形態である鉄クロロフィリンの方が、消臭作用は強いとされています。
鉄クロロフィリンが、硫化水素やメチルメルカプタンといった悪臭成分を強力に吸着すると同時に、
これらの物質が血液中に流れ出るのを防ぐためだそうです。
このため、鉄クロロフィリンを有効成分とした消臭対策のサプリメントがたくさん販売されています。
加齢臭対策面でのサクロフィール、ひいてはクロロフィリンの効果に話を戻します。
加齢臭の原因物質は主にノネナールで、発生場所は耳の後ろ、頭皮、足など、いわば体の表面です。
私が調べた限りでは、サクロフィールをはじめとするクロロフィリン関連消臭グッズは、便臭や口臭など、主に体内から発生するニオイを抑制するというものでした。（中には加齢臭対策をうたっている商品もありましたが…。）
加齢臭を抑えるには、過剰な皮脂がノネナールに変化しないようにするという手順が欠かせません。
そういった意味で、皮脂対策にならないクロロフィリンの消臭グッズは、加齢臭の消臭という面では少し疑問符がつくのでは、と考えます。
