重曹で加齢臭の対策ができるのか?
昔からよく消臭目的として使われてきた重曹ですが、本当に効果があるのでしょうか?
重曹による消臭のメカニズムについてまとめてみました。
重曹による消臭のメカニズム
重曹の性質
- 粒子が細い研磨剤の性質がある
- 水に溶けると弱アルカリ性になる
重曹は比較的水には溶けにくい粒子なので、
物理的に汚れを落とす研磨剤としての役割を果たします。
しかし、消臭目的として水に溶かしてある場合には、
研磨剤的に汚れを落とす効果はありません。
重曹を利用した消臭には、弱アルカリ性になる性質に秘密があります。
弱アルカリ性水溶液の作用
水に混ざった重曹(弱アルカリ性の水溶液)は、脂肪を加水分解します。
脂肪の加水分解
- 脂肪→グリセリン+脂肪酸ナトリウム
この過程で発生した脂肪酸ナトリウムですが、
石鹸に使われている主成分で界面活性剤としての性質を発揮します。
界面活性剤:水と油をなじませるジョイントのようなもの。油汚れを水に抽出する役割をはたします。
すなわち、重曹は皮脂汚れを利用して石鹸を作りだし、
作り出した石鹸でさらに皮脂を洗い流すという効果を有しています。
この効果が体臭【ノネナール】を抑える秘密となっています。
重曹による消臭効果は?
では期待できるほどの消臭効果があるかというと、それはまた別のようです。
メカニズム的には充分消臭が期待できそうですが、重曹はあくまで弱アルカリ性です。
すなわち、
さほど強い効果は期待できないんですね。
水酸化ナトリウムなどの強アルカリを使えばかなり強力な効果が期待できますが、
皮脂もタンパク質も激しく分解するので危険です。(手がヌルヌルになりますよね)
効果は弱いかもしれませんが、安全な重曹でとどめておきましょう。
性質 |
消臭効果 |
安全性 |
|
---|---|---|---|
重曹 |
弱アルカリ性 | 低い | 安全 |
水酸化ナトリウム |
強アルカリ性 | 高い | 危険 |