加齢臭とホルモンの関係
加齢臭は、皮脂腺から分泌される皮脂に多く含まれているパルミトオレイン酸という脂肪酸が活性酸素によって酸化することで発生する臭い成分「ノネナール」が原因です。
逆に言えば、ノネナールが発生する過程にある皮脂腺からの皮脂の分泌と活性酸素による酸化を抑制することができれば、加齢臭を防ぐ事ができます。
しかし、そこにはホルモンの働きが密接に関係してくるのです。
まず、皮脂の分泌についてですが、
これには男性ホルモンが関係しています。
男性ホルモンは、皮脂腺の発達を促すために、皮脂を大量に分泌させ、
その結果、ノネナールが大量に発生してしまいます。
女性にも男性ホルモンが微量ですが備わっており、
仕事を精力的にこなしたりしていると徐々に男性ホルモンが増加していき、
加齢臭につながっていきます。
また、女性は閉経後、男性ホルモンが増加するため、
加齢臭が発生しやすい体質になりますので、要注意です。
最近では、男性にも更年期があり、この時に男性ホルモンが減少するようですが、
激減はしないため、男性が加齢臭の悩みから開放されるということはなさそうです。
次に、皮脂の酸化の過程についてですが、
ここには女性ホルモンが関係しています。
女性ホルモンには皮脂の酸化を抑制する酸化抑制効果があるため、
脂肪酸が酸化しにくいという性質があります。
よって、女性の場合は皮脂が分泌されても、その酸化を抑制することができるため、
ノネナールの発生も抑えられることになります。
しかし、女性ホルモンは年齢とともに徐々に減少していき、閉経に伴って激減します。
つまり男性が沢山の皮脂を分泌し、それが皮膚の上で酸化しやすい状態であるのに比べて、
女性の場合はどの過程を見てもノネナールが発生しにくい状態にあるということです。
加齢臭が女性よりも男性に多いのは、
ホルモンに起因するところが大きいことになります。
そして、男性は一生を通して加齢臭と付き合っていく必要があり、
女性は閉経後に加齢臭の発生に注意を払う必要があることが分かります。
さらに性差だけではありません。
思春期などは皮脂の分泌が多いにもかかわらず、加齢臭がしません。
それは、メラニンと成長ホルモンの分泌に関係しています。
メラニンや成長ホルモンは抗酸化作用をアップさせてくれるため、
皮脂の酸化が進行しにくく、そのためノネナールの発生も抑制されます。
しかし、以下のような条件の場合は、
成長ホルモンが正しく分泌されなくなったり、脂肪酸の分泌が促されたり、
活性酸素を増やす原因になってしまいます。
成長ホルモン分泌異常や、活性酸素を増やす原因
- 脂肪分の多い食事
- 高タンパク質(肉類)の食事を好む傾向
- アルコールや刺激物の過剰な摂取
- 睡眠不足
- ストレス
- 激しい運動
- 喫煙
加齢臭の対策には、皮脂のコントロールに加えて、
活性酸素対策も重要になることを念頭に置いておいてください。